原因不明の股関節痛はグロインペイン症候群だった

グロインペイン症候群

別名、鼠径周辺部圧痛症候群と呼ばれ字のままに鼠径部(股関節)の周りが原因不明に痛くなる怪我である。(グロイン=足の付け根、ペイン=痛み)

明らかな器質的疾患の有無を問わず、何らかの理由で生じた全身的機能不全が鼠径周辺部の器質的疾患発生に関与し、運動時に鼠径周辺部に様々な痛みを起こす症候群”(仁賀, 2016)引用
特に、サッカー・陸上・格闘技によるキック系のスポーツが主であり、キックやランニングを繰り返すことにより股関節周囲に炎症が起き発症します。
また、相手との接触などによる外的要因でもなる場合があります。

グロインペイン症候群の原因

・オーバーユース
・股関節の柔軟性不足
・股関節周囲の筋力の低下
・下肢と上肢の協調性の低下

オーバーユース(over use)と柔軟性低下

簡単に言うと使痛みです。
股関節の筋肉の付着部を繰り返し使用することにより炎症が起きてしまいます。
また、体幹から股関節周囲が繰り返しのオーバーユースにより関節包外の軟部組織が拘縮して起こります。

股関節周囲の筋力低下

股関節を動かす筋肉が弱いと関節に負担が掛かってしまい炎症が起きやすくなります。
その結果、股関節周囲の痛みが出て発症します。

下肢と上肢の協調性の低下

下肢と上肢が上手く噛み合わずに不自然な動きをしてしまうと関節周囲の機能が低下してしまいます。
無理にプレーを続けると、痛みと機能障害の悪循環が生じて症状が慢性化していきます。
総称してからだの癖や使い方によってバランスが崩れることにより関節に負担が増えた結果グロインペイン症候群になってしまいます。

グロインペイン症候群の治療法

グロインペイン症候群には決定的な治療法はありません。とりあえずは安静が一番ですが運動を再開するとまた同じ症状が現れてくることもあります。グロインペイン症候群は鼠径部周辺への筋力の低下を伴いますのでそれを改善しない状態で、再度、ボールを蹴ったりする動作を行なうと筋肉が負荷に耐えられないために、痛みが復活しやすくなるのです。従って、電気治療、マッサージ、ストレッチだけでは不十分で体幹の筋肉を強化するリハビリが必要となってきます。それも可動性・安定性・協調性の問題点を評価した上で、それを修正するアスレティックリハビリテーションを行っていくのが良いとされています。
グロインペイン症候群(鼠蹊部痛症候群)医科学コラムNo.16(2016年11月)

原則

 ①痛みが出た場合は休む
 ②リハビリ、マッサージ、ストレッチなどを行う
ですが、やはりオーバーユースである以上からだのアライメント異常や筋力低下による負担、からだの連動性を正さなければなりません。
痛いから股関節だけを見るのではなく、筋肉は全身繋がっており連動しながらからだを動かします(運動連鎖) だから正しいからだの使い方を理解し、普段から予防に努めて怪我ないからだ作りをしていきましょう。

予防

・けがのあと、そのまま無理にプレーを続けない。
・股関節周辺の拘縮予防や筋力低下の予防。
・運動前の準備運動に体幹から下肢を効果的に連動させる協調運動を取り入れてる。
・オフ明けは注意。(協調運動を取り入れた準備運動を十分に行う。)
・インソールでからだのバランス改善
そんな原因がわからない股関節の痛み、グロインペイン症候群を正しく理解しましょう